ANAが最終損益5,000億円規模の大赤字に転落へ!
目次
コロナ禍も国際線を運航し続けた企業努力が裏目に?
ANAが前期黒字から赤字転落へ
ANAを運航するANAホールディングスは今年度の最終損益を5,000億円を超える過去最大規模の大赤字となることが濃厚へ。
前期276億円の黒字からの赤字転落となり、既に21年度の新規採用中止を決定し、給料3割カットとボーナスゼロを発表。
勤務時間外には社員のアルバイトも解禁し、日本を代表する大企業が社員一丸となって経営破綻の危機を乗り越えるべく動いています。
経営破綻はあり得る?企業努力が裏目へ!
新型コロナウイルスの影響がいよいよ深刻になり始めた3月下旬、タイ国際航空やベトナム航空など日本とアジアを結ぶ航空会社が続々と国際線をストップへ。
ANAも非常に厳しい状況の中、バンコク発~羽田を片道でデイリー運航、減便対応ながらハノイ/ホーチミンシティ発~成田など主要路線を一度も途切らせることなく運航し続けています。
その企業努力が結果として大赤字を招いていますが、2010年1月に採算に無頓着な経営体質により経営破綻したJALとは異なり、日本の空を担うプライドによるもの。
ANAの信用価値は揺るぎなく、金融機関による融資はもちろん、万が一経営破綻を起こしたとしても国による再生支援が濃厚です。
大型機を半減へ?羽田に国際線を集約!
ANAが保有する大型機はA380やB777が挙げられますが、航空需要の減少に伴って大型機を半減させる計画が進行中。
近年世界的にも大型機の需要は減少中、ANAは中型機であるB787をメインに運航しており、市場に与える影響はそれほど大きくなさそうです。
さらに国際線を羽田に集約する計画も進行中。元々ANAは成田/羽田に国際線を集約させてきました。現在も地方空港はアジア系の航空会社が中心ですが、今後益々その傾向が強くなりそうです。
ANA SFCの永久資格が喪失?上級会員修行のメリット減!
最大の懸念は経営破綻による上級会員制度の存続。永久資格と言われるANA SFCが終了となれば努力して獲得したステータスが水の泡へ。
過去には2010年1月にJALが経営破綻した際に国が全面支援した事例もありますが、結果として上級会員制度及びJGCも維持されました。
公平性を保つ意味でも国からの支援は間違いなく、上級会員制度及びANA SFCも維持されることが濃厚です。
懸念されるのがANAラウンジの縮小、現在は目玉だったバイキング形式の提供も中止されており、今後しばらくは魅力溢れる優待を受けられるかどうかは微妙。
現在の情勢では一から上級会員修行を始めるメリットは薄く、再び海外旅行が自由に行ける時代になるまで様子を見るべきでしょう。
さいごに
ANAのリピーターとしては最大の懸念が上級会員制度の存続や国内線/国際線の路線縮小。
最新の報道ではANA傘下のピーチアビエーションとの共同運航案が進行中、翌々は一部国内線をピーチに移管することが濃厚です。
国内線の縮小だけでなく、国際線の成田~プノンペン線、成田~ミャンマー線など企業努力で維持されてきた路線の廃止も懸念されています。