LCC全般

事実上の倒産!タイのLCCノックスクートが取締役会で事業終了が決議

返金問題は?タイの格安航空会社NokScootが日本就航約2年で倒産へ!

タイ人観光客の訪日ブームに貢献も、日本初就航から約2年で撤退へ!

ノックスクートとは?

バンコクのドンムアン国際空港を拠点とする格安航空会社で、タイの格安航空会社であるノックスクートとシンガポールの格安航空会社であるスクートの共同出資により設立。

2018年6月1日に日本初就航となるドンムアン~成田線就航を皮切りに、関西、札幌へと就航攻勢をかけていましたが、2019年末より中国湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルスの感染拡大によって徐々に国際線への搭乗率が低下。

タイ全土がロックダウンした3月下旬より、約3カ月に渡る長期運休によって資金調達が限界へと達し、6月26日の取締役会にて事業終了が決議されています。

ついに破綻!ノックスクートが取締役会にて事業終了を決定へ

約3カ月にも渡ったタイの国際線乗り入れ禁止措置により、返金問題など経営が切羽詰まったノックスクートは資金調達として保有機材3機を売却し、もはや日本線の継続が困難な状態に陥っていました。

2018年6月に日本初就航となったドンムアン国際空港~成田便から約2年で日本線を撤退することになり、事実上の経営破たんが確実になっています。

今回の事業終了により、パイロット約60名、乗務員約100名、整備士を含めて300名以上が失業へ。タイ国際航空に続く経営破たんでタイの航空業界の落ち込みが浮き彫りとなっています。

大型のB777型機!LCCらしからぬ快適な機材で人気に

タイの訪日観光ブームにより、タイ人を中心に人気を博したノックスクートの日本線ですが、シンガポール航空より譲り受けた大型機ボーイング777型機による快適なフライトで人気を集めていました。

日本初就航となった成田便の2カ月後には関西初進出、2019年10月末にはLCCとしてはアジア最長距離となるドンムアン~新千歳(札幌)便を就航へ。

衰えぬ訪日需要により順調かと思われた日本~タイ路線ですが、新型コロナウイルス問題の影響が出始めた2020年1月頃より搭乗率が大幅に減少へ。

今回経営破たんが確実となったノックスクートに限らず、同区間を運航するタイエアアジアX、スクート、タイライオンエアの日本線存続も大きく懸念されています。

スクート、タイエアアジアX、タイライオンエアの経営破たんもある?

ノックスクートに限らず、非常に厳しい経営に迫られているのが同路線を就航するスクート、タイエアアジアX、タイライオンエア。

タイエアアジアXは他社との合併も視野に入れていることが報道されており、タイライオンエアは3月以降従業員を200人規模で解雇、保有機材も半分程度削減しています。

既に成田~バンコク間で使用されていた大型機材A330を売却済みと報道されており、現時点で同区間を長距離飛行できる機材を保有しておらず、現実的に日本撤退が濃厚とみられています。

アフターコロナの航空業界は運賃の高額化が懸念されており、バンコクまで片道1万円を実現したLCC全盛時代の終焉も囁かれています。

半額分を返金?返金処理やバウチャーはどうなる?

長期運休により、不運にもキャンセルとなってしまったチケットの返金問題が話題に上がっています。

今回ノックスクートの事業清算により、返金処理が継続して行われるのか、或いはチケットの購入に充てることができる返信済みこバウチャーがどのように救済されるかも注目です。

タイ国際航空は事実上の破たんも事業再生計画中。航空事業の継続もアナウンスされており、一旦返金処理はストップするものの返金は保証される見込み。

共同出資であるノックエアとスクートの支援にも期待したいところですが、このまま返金処理がストップし、バウチャーが紙くず化することも充分考えられます。

追記分:最新の情報では出資会社のスクートがノックスクート利用者に対して50%分の返金対応を行うことを表明しています。

さいごに

個人的にもノックスクートには過去2回搭乗しており、LCCとしては非常に快適な機材と便利な時間帯により常に第1候補の航空会社でした。

座席数はビジネスクラス24席、エコノミー391席と余裕があるため、比較的空いている機内後方エリアでは横一列独占して横になれることもリピーターにはよく知られていました。

日本就航からわずか2年での経営破たんは非常に残念ですが、日本~バンコク間の健全な価格競争に貢献したLCCとして感謝の意を表したいと思います。

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