ホーチミン市にも波及?ダナンが約3カ月ぶりに全社会隔離へ
目次
10月追記分:9月には第2波がほぼ終息へ、9月15日よりダナンと各都市を結ぶ国内線が再開しています。
第2波?ついに市中感染99日間連続ゼロ記録が途絶える!
ベトナム中部のダナンで、市内在住の57歳男性が新型コロナの疑いで計5回のPCR検査の末に陽性が確定へ。
この陽性判定によってベトナム国内の市中感染ゼロ記録が99日間で途絶え、更に直近で2人目となる61歳男性の陽性も判明しています。
57歳男性には人工心肺ECMOが取り付けられ、61歳男性についても重症化が報告されています。2名が重症化した要因として57歳男性は胸部腫瘍の病歴、61歳男性は高血圧症と糖尿病であったことが判明。
27日午前には71歳女性、17歳男性の感染も判明し計4名へ。同日夜には新たに11名(患者7名、医療従事者4名)の感染が公表され、いずれもダナンの病院内で2次感染とみられています。
現在急ピッチで濃厚接触者を追跡し、速やかに隔離した上で随時PCR検査へ。27日夜時点で既に1万人に迫る勢いで隔離が進んでいるとも言われています。
7月28日0時よりダナンでロックダウン開始!
首相指示第19号に基づく全社会隔離が7月28日0時より実施されることが発表されています。
実施に先立ってダナン市内では不要不急のサービス業や娯楽産業の営業が停止、市内の教育機関も休校されています。28日0時からはタクシー、レンタカー、鉄道、市内バス、クルーズ船の運行も停止へ。
具体的な行動制限として、人が集まるイベント禁止、オフィス、学校、病院を除いて30人以上の集まり禁止。カラオケ、バー、マッサージ、ディスコなど娯楽産業全般は閉鎖命令へ。
26日頃より、ロックダウンの気配を察知した観光客約8万人の大移動が始まっており、ダナン空港は深夜遅くまで大勢の観光客がごった返す様子が報じられています。
空港が大混雑?ダナンから約8万人が脱出へ
今後2週間ダナンへの観光は禁止されていますが、ダナンから出られなくなる観光客がでないよう、ベトナム航空総局はフライトの確保を航空各社に要請しています。
観光客をダナン市内に滞留させておくより、市内の人口密度を減らし感染対策を強化していく方がリスクが低いと判断した模様です。
ホーチミン市当局は7月1日以降ダナンからホーチミン市に入域した全ての者を対象にウイルス検査を実施することを決定。
既に検査の実施前及び結果が出るまでは自宅隔離が義務付けられ、感染対策は時間を追うごと強化されている印象があり、違反にならぬよう常に最新情報を注視する必要がありそうです。
追記:28日よりダナン発着便が15日間停止
既にダナンの発着便は全て運航停止中、観光客はダナンからほぼ脱出済み。一部ロングステイ中の外国人もダナン近郊のホイアンやフエへの避難を完了している見込みです。
感染経路不明?不法入国者が感染源か
過去半年間ベトナム国内では4,360名の不法入国者が摘発されています。
7月25日には中国人の不法入国を斡旋した疑いで中国人男性が逮捕されており、逮捕同日夜にはダナンとクアンナム省に中国人を非公式ルートで入国を斡旋したとして、余罪を含めて厳しく追及されることになりそうです。
逮捕の裏にはベトナムのフック首相が市中感染の兆候を受けて不法入国者による感染流入を疑い、急遽取り締まりを強化していたとしています。
明確な感染経路は不明ながら99日間にも渡ってウイルスを撲滅し続けたベトナム国内には感染源はなく、不法入国者や正規入国者を含めた入国者を介して第2波が到来したことは間違いなさそうです。
さいごに
現在大きく懸念されているのがダナンから各都市への移動によるウイルス拡散。仮にハノイ、ホーチミン市で新たな感染者が発生すれば、4月以来となる全国規模でのロックダウンは時間の問題でしょう。
既にホーチミン市内の一部学校では休校が案内され、直近でダナンに滞在した社員をテレワークへと切り替えたとする報告もされています。
3月中に相次いだ大規模なマンション隔離が再び発生する懸念もあり、マスクや食料品の備蓄がベトナム各地で始まりそうな気配です。