ついに経済優先に舵を切る?外国人観光客向けに特別観光ビザを閣議へ!
目次
経済対策として突如降って湧いたタイの特別観光ビザ!実現性は如何に
10/21追記分:10月20日夜、特別観光ビザによる初の入国例として中国人観光客約40名がタイ入国へ。
観光産業の失業対策に特別観光ビザを閣議へ
ビザの名称
特別観光ビザ
ビザの費用
2,000バーツ
滞在可能日数
90日間(2回延長可)
最大270日
隔離の有無
14日間の隔離が必要
タイの観光庁総裁は観光業の失業対策として、90日間滞在可能で延長手続きによって最大270日まで滞在可能な「特別観光ビザ」の発給を検討議題に挙げると表明しています。
ビザの申請には事前のPCR検査による陰性証明書と10万ドルが付保される保険の加入が必要。更にタイ入国手段が現時点でチャーター便及び特別便に限られており、スムーズな入国は難しい上に14日間の隔離が必要。
概要は現時点で挙げられているものであり、閣議が決定され次第詳細を詰めていくものと予想されますが、最大で270日間も滞在できるとあって早くも話題を集めています。
最大で270万人が失業の危機?タイの観光産業が危機的状況へ
第4四半期までに外国人観光客がタイを訪れない場合、観光産業従事者400万人のうち270万人が失業すると試算されています。
タイ経済は観光産業に占める割合が多く、新型コロナウイルスが深刻化した3月下旬にはタイ全土のロックダウンによって外国人観光客の入国が完全にストップ。
9月現在、東南アジア有数の観光地プーケット島の主な観光エリアはゴーストタウン化が報告されており、既にタイの観光産業は壊滅状態だとも言われています。
人口約7,000万人を抱えるタイですが、タイ版GoToキャンペーンなど観光対策が行われたものの、台湾やベトナムほどには内需が活性化しておらず観光地は閑古鳥。
これにはタイ人の国民性として感染に対して非常に憶病で慎重な面があるのと、旅行に消費するほど経済的な余裕が失われていることが予想されます。
外国人観光客の受け入れが切り札?特別観光ビザの実現性
タイの観光産業を上方修正するには外国人観光客の入国が必要不可欠であることは明白。
国民の約8割が外国人の受け入れに肯定的とする話もあり、首相の合意次第ではとんとん拍子に特別観光ビザが実現する可能性があります。
しかし現時点タイ入国は、タイ人の帰国、ビジネスマンなど長期在住ビザ保有者とその家族、タイランドエリートに限られており、14日間の隔離施設の確保など条件が整った者から順番に特別便へ搭乗するため狭き者とも言われています。
仮に実際、特別観光ビザが閣議決定されても、すぐにタイに入国できるようになるとは思えず早くても来年以降ではないでしょうか?
10月のプーケット受け入れ案は延期へ
8月末に首相が合意した10月を目処とするプーケットを限定とする外国人観光客の受け入れ案ですが、早くも延期の声が出始めています。
延期の理由は101日ぶりにタイ国内で市中感染者が出たことを挙げていますが、元々無謀な計画だったとも囁かれており批判を避ける為の苦しい言い訳だとも言われています。
観光産業従事者にとっては、10月の受け入れを目指して準備をし始めた矢先の延期発表で一喜一憂に振り回された上に、当のプーケット島民からは反対意見も上がっているとされ一筋縄ではいかないでしょう。
タイ国際航空が11月末を目途に日本を含む対象6カ国からチャーター便を計画中とも報道されており、プーケットの外国人観光客受け入れは11月以降にまでズレ混む可能性大。
さいごに
2回の延長によって最大270日滞在可能とされる特別観光ビザですが、高額なタイランドエリートビザとの棲み分けも気になるところ。
長期でタイに入国できるのは学生のバックパッカー、ノマドワーカーなど比較的お金を落とさない連中だと批判的な意見も多数。
実際は事前のPCR検査、保険加入、特別便の費用、14日間の隔離費用を含めると高額化が予想され、ビザを利用することができるのは富裕層くらいだとも言われ、現時点では非現実的だと捉えられているようです。